礎となる力

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0012  今回、普連土学園のwebページにて卒業生として寄稿させていただくことになり、改めて自分の卒業後の足跡を思い返してみました。  私は普連土学園を2000年に卒業後、慶應義塾大学の理工学部管理工学科で学び、2004年に大和総研のSE(システムエンジニア)として就職しました。 システム開発からプロジェクトマネージメントまでさまざまな立ち位置を経験後、2012年に仕事の関係でロンドンに赴任し、現地のシステム会社に在籍しました。その時の経験から『私が作るシステムを使う方々の業務をもっと理解したい』という思いが芽生え、10年間のSEのキャリアから、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の事務部門へ転職しました。  事務部門ではルーティーンの事務を日々行いつつ、システムやプロセスそのものの改善、新しい商品への対応など、前職の経験を活かして、事務方とシステム部門や企画部門の方々の間でそれぞれの表現を『翻訳』しながら様々な提案を行う5年間を過ごしました。 証券会社での勤務を通じて、自社のプロセスを改善するだけにとどまらず、より金融業界全体に関わりながら良いサービスを届けたいと考えるようになり、現在は金融機関向けのサービスを提供する外資系の銀行にて、アカウントマネージャーをしています。  振り返ってみると本当に様々な経験をさせていただき、またその経験を次の経験に活かす機会をいただきながら、これまでを歩んできたと実感します。  それぞれのステージは楽しいことだけではなく、苦しいこと、壁にぶつかる場面ももちろん多々ありました。  それは仕事自体が難しいものである場合もありましたし、人間関係に悩んだり、自身のキャリアや人生について焦心したり、多様な状況があったと記憶しています。  しかし壁にぶつかるたびに、周囲の方々からアドバイスをいただき、活路を見出してきました。その時にお世話になった方々とは、職場が変わった今でも繋がりがあります。  先日、そのうちのある方と改めて話す機会があり、互いの話や近況報告をする中で 『久保さんは仕事の中で自分で考え、それを表現し伝えるのが上手い。こちらが言わんとすることを聴き取り理解する力もあり、本当に色々な立場の人と繋がっているよね』 と嬉しいコメントをいただきました。  コミュニケーション能力と多様性を受け入れるスタンス、劇的に変化する現代で変わらずに必要なこれらの基礎力を私は普連土学園で知らず知らずのうちに身につけていたように思います。  例えば  ・自分たちで様々な役割を分担して作り上げる学園祭やクラブ活動  ・多数決で物事を決めず、相手の主張も理解しながらみんなで合意を目指す話し合いのスタイル  ・みんなの前で話す機会となる朝の礼拝  ・それぞれの個性を認め大切にしてくださる先生方とのコミュニケーションや進路指導  ・文化や宗教などのバックボーンが違う生徒との共生を経験できるホームステイや交換留学生との学校生活  などなど…。  挙げるときりが無いのですが、当時はなんとも思っていなかった日々の経験の積み重ねが、今の私の礎となっています。  ちなみに、私自身は学生時代は決して英語が得意なタイプではありませんでしたが、2012年にロンドンに行った際に、驚くほど外国での生活や英語に特に支障なく日々を楽しむことができたのも、普連土学園での英語教育のおかげです。  この礎となる力を身につけさせてくれた普連土学園での日々に感謝しながら、これからも日々学び成長し、笑顔あふれる人生を過ごしていきたいと思います。